グロースハッカーを読みました。

こんにちは、JAGA(ja_gaimopotato)です。
皆さんは、グロースハッカーをご存知でしょうか。

製品やサービスの課題を、技術力で解決し(ハック)ながら成長(グロース)させる人という意味です。

旧来のマーケティングでは、想像できないような手法で発展を遂げていくスタートアップのマインドを表現する言葉として、本書では取り上げています。

筆者は、自身が旧来のマーケティング畑に席を置きながら、グロースハッカーの業績を目の当たりにしました。
そして、その衝撃を受けたことで危機を感じ、新しいその手法や考え方を深く理解し身につけました。
結果として、自身の手がけるマーケティングでも成功を収めます。

その中で得た知識をまとめた1冊が本書です。

グロースハッカーを知る。

スタートアップの企業のことなのかなぁと漠然と考えていましたが、一応近いものだったようですね。

グロースハッカーという新しい職種は、シリコンバレーの文化と融合している。
そして彼らの存在は、優秀なマーケターにとって、コーディング能力と技術的な知識が重要になってきていることを示している。グロースハッカーは、マーケターとエンジニアのハイブリッド(p.8)

十分な予算がない中で、スタートアップは企業を急成長させる術を習得したのだ。(中略)彼らが作り上げた手法、新機軸、裏ワザが、われわれマーケターがこれまで学んできた手法と対抗しているのだ。(p.9)

マーケティングは製品開発の前から始まっていて、開発中も続くのだとしています。
そもそも、ずっと開発中?という捉え方もできそうです。
リーンスタートアップのように、常に改善と学びを得ながらサービスを運営していくのだと考えると。

製品開発とマーケティングを完全に別のプロセスとして行う方法はもう古い。(p.11)

もっとも危険なのはマーケターは非常に短期間に可能な限り多数の顧客を獲得しなければならないと思い込んでいることだ。(p.13)

グロースハッカーは、伝統的なマーケティング戦略を放棄し、検証・追跡・測定が可能なものだけを用いる。(中略)グロースハッカーとは、自立し、自己増殖する成長マシンの発明者であり、オペレーターであり、整備士だ。この成長マシンが新興企業を成功に導くのだ。(p.21)

グロースハッカーとは、ツールキットというよりも、マインドセット(考え方)だ。(p.24)

Airbnbやインスタグラムの例をあげて、その改善とピボットの早さに驚きながら分析をつづけます。

「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」と呼ぶレベルにサービスが到達するまで、長い時間をかけて調査とイテレーションを行っている。(中略)今や、PMFへの到達はマーケターの仕事だ。(中略)サービスが開発されるのに任せるのは、もうやめよう。我々はアイデアの提供、ルールとガイドライン、そしてフィードバックによって開発に影響を与えることができるのだ。(p.31)

必要な人に届けばいい。

製品やサービスが売れるとは、どういうことなのでしょう。
きっと、たくさんの人に使ってもらうことですよね。
そのためには、たくさんの人に知ってもらいたいものです。

でも、グロースハッカーは自分たちのサービスが使われるべき場所がわかっていて、その人たちに知ってもらい確実に使ってもらうために全力を捧げるのです。

あらゆる場所で話題になりたい、動画を数百万回再生してもらいたい、ツイッターの「トレンド」になりたい(中略)こういうマーケターは、あらゆるところへ行こうとして、結局どこにもたどり着けない。

いかに低コストでふさわしい相手に訴求するかがグロースハッカーの思考法だ。(p.48)
大事なのは、何人に認知されるかではなく、何人がサインアップするかだ。(p.51)

クチコミを起こす。

クチコミを求めバイラルな広がりを狙うことはどんな人でもそれが効果的だとわかるでしょう。
グロースハッカーの思考にもそれは適しているのですが、ここでも旧来のマーケターとは全く違うのです。

グロースハッカーは、ブランディングのために全国ネットのテレビ番組での製品露出の権利を買ったり、セレブに金を払ってサービスを利用してもらったりはしない。その代わりに、こうした「ソーシャルカレンシー(社会的通貨)」を無料で獲得する方法を考えるのだ。(p.66)

DropBox(ドロップボックス)の紹介したら容量アップのキャンペーンのように製品とクチコミを融合させる必要があるとしています。

ゴーバイラルしたければ、クチコミの種を製品の中に仕込む必要があるということだ。(中略)クチコミは偶然起きない。設計するものだ。(p.67)

話は、コンバージョン率にも及びます。
いかにユーザーを定着させるかもグロースハッカーの取り組みが参考になるのです。

サービスに追加した機能でユーザを定着させられるなら、その機能もマーケティングなのだ(中略)企業はサービスそのものの改善に投資する必要がある。(中略)サービスから離れられなくなる(そして友達を誘う)まで改善しよう。(p.73)

結局のところ、既存のユーザーを定着させることが、サービスの収益性を最大化します。
もっとも効率的な選択とはサービスの改善へ再投資するということです。

さいごに

巻末にはクックパッドの中の人のお話もあり、ページ数がそれほど多くないながらも興味深く読めました。
グロースハッカー入門書としては、なかなか良いのではないでしょうか。

これからも更新を続けていきますので、Feedlyへの登録をお願いします!

follow us in feedly

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です